実はロードバイクの高価買取や委託販売の他にもいろいろやってます。
WRITTEN BYbiciamore
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皆様御存知のように、当店はあくまで、「ただの中古屋」です。
本来、ロードバイクを始めスポーツバイクの高価買取や委託販売がメインの当店に、
なぜか最近コンポーネントの載せ替えや完成車組立のご依頼を多数頂いております。まったく不思議な事です。
技量も経験も実績も浅い浅い20歳の私に作業を依頼するなんて皆様物好きですね。ハハハ
なんて思ってたらまたまたコンポ載せ替えのご依頼を頂きました。
2014年モデルのSCOTT(スコット)ADDICT 20(アディクト)のコンポをSRAM Force22に載せ換えてほしいのとの事です。
黒い持ち主が黒いバイクと黒いコンポを持ってやって来ましたよ。いらっしゃいませいらっしゃいませ。
というのもこのバイクの主は私の先輩。
職業は誰もが知ってる某飲料メーカーの敏腕営業マン、どんな服装でもさらっと着こなす高身長にユーモア溢れるトークセンスと甘いフェイス。
私の同級生のなかでも1、2位を争っていたマドンナを彼女に従え、誰がどう見ても勝ち組にしか見えないY氏・・・・・・!
ああ分かりましたやりますやりますにしてもこれ以上黒を纏ってどうするんですかもはや影にでもなりたいんですかと、
えぇ組立工賃は2万5千円からになっておりますとブツブツ唱える私を尻目に
じゃあ頼むわと自社製品を置いてさっそうと去って行きました。
「ちーん・・・・・・・・・・・」
悪態をついても仕方がないのでしょうがなく作業を引き受けたのですが、
折角ですのでちょっとしたレポートでも。
お預かりしたADDICT 20はSCOTTがCR1で養った軽量バイクのルーツを引き継ぎ、
一度ラインナップから消滅したものの、2014年に復活と進化を遂げた生粋のライトウェイトバイクです。
メインコンポーネントが6700アルテグラ。ブレーキ、クランクとスプロケがノーグレードというスペックですが、
それを軽量バイク御用達のSRAM Force22に変更するとどれだけ軽量化できるのでしょうか?
勿論、コンポはお持ち込みです。
いい機会なので個々に計測してみましょう。
まずはST-6700 デュアルコントロールレバーとForce22 ダブルタップレバーを比較。
アルテグラは468gでした。
それに対してForce22 ダブルタップレバーは343g!
レバーのみで125gも軽くなります。
続いてカセットスプロケット。
CS-4600 ティアグラグレードのスプロケは329g。
Force22は257gでした。同じ11-28Tのスプロケットですが72gの軽量化・・・・!
上記のように各パーツを比較した結果、デフォルトのコンポーネントの合計が2486g。
SRAM FORCE22の合計が2060g・・・・・・・・・・!
なんとコンポの変更で426gもの軽量化となります。
データが採れたのでさっさと載せ替え作業に入りましょう。
はい、ひと通り組めました(笑)
画像だけ見ると何事もなかった様に思えますが実は一週間以上かかりました。
と言うのもシマノが提唱するBB86 圧入式BBが全く外れなかったり、
(私が本気でぶっ叩いても無理だったので他店に2回、叩き出しをお願いしたのですが
やはり相当キツかったらしく外れませんでした。
ものすごく余談ですが2回目に持ち込んだプロショップでは
「申し訳ありません。無理でした。こんなに固いの初めて・・・・との事でした」
と別のなにかを連想してしまう苦いコメント付きで「女性のスタッフの方」から返却されました。
ええ、深い意味はありません)
2店舗とも一時間近く格闘して頂いたのにも関わらず、
工賃は結構ですとの事で受け取って頂けませんでした・・・・ホントスミマセン・・・・
他にもこのバイクを組んだ悪名高き○○○○○がケーブルライナーをフレーム内部で詰まらせていた為に
BB周りのケーブルルーティンでエラい目にあったりしましたが無事形になったので良かったです。
後のメンテナンス性を考慮してケーブルライナーをきちんと通し直して、BBシェル下のケーブルガイドを
ちょいと工作。
圧入するBBによってウォーターシースが内蔵式ケーブルガイドにひっかかり、BBを叩き出さないと
ケーブルガイドが外れず、シフトケーブルが交換出来ないというとんでもない構造だったのですが
シフトケーブルが簡単に交換できる様、加工しました。
(ケーブルライナーが適切に通されていればケーブル交換は簡単に可能です。
因みにSRAM Force22クランクの仕様はGXPです)
パイセンのバイクなので正直に申し上げますが、SCOTTのアディクト、トラウマになる位整備性が悪かったです。
ただそれも修正したので万が一、他店に浮気されても整備に苦労する事はないでしょう。
うっかりケーブルライナーを引き抜いてしまっても簡単に通せますのでご安心下さいまし。
またSRAMのコンポ組付けには多少の工夫が必要です。
ダブルタップレバーにケーブルがうまく通せなかったり、リアディレイラーの変速をスムースに決まらない方は
僅かですがノウハウを持つ事になってしまった私にご相談下さいませ。アドバイス差し上げます。
あまりに苦労したので完成後の写真撮影をすっかり忘れてしまいました。
今後はシートポストやステムをENVEに、ホイールはSES3.4に変更するとの事です。
これはとんでもないステルス戦闘機が誕生しそうな予感・・・・・・・!今後が楽しみですので早くパーツ揃えて下さい。
にしても黒い・・・・・
さて次のお題はこちら。
当店で販売しているBianchi(ビアンキ)MEGAPRO L(メガプロ)フレームセットにシマノ 5700系105コンポーネントを組付けて
納車して頂けませんでしょうか?とご相談を頂きました。
きっと近くに立派なショップ様があるにも関わらず、遠方からわざわざ「中古屋」の私に依頼して下さるなんて・・・・まったく物好きなオーナー様です。
勿論、ご相談頂いたからには断る理由がありません。
し、か、も、すぺさるなアイデアをお持ちのようで・・・・ご依頼本当にありがとうございます。
この画像を見てあっと気づいた方は目の付け所がシャープです。
そう、フロントディレイラー直付台座が綺麗さっぱり削られている箇所。
先日、私がメガプロLをオーバーホール及びレストアを行わせて頂きました際、同じ様にFD台座が破断していたのを
当ブログをお読みのマニアックな方々はご存知かと思います。
今回組立を行いましたMEGAPRO L フレームセットも全く同じ症状でしたが、
前オーナー様の手により綺麗に削られた後、入荷しました。
今回もディレイラーバンドを上手に活用して完成を目指します。
先ずはフレームのくすみや汚れを完全に落とし、コーティング作業から入ります。
この工程は私の得意分野。
一切妥協のない作業から生まれた極上の艶は、鮮やかなイエローとチェレステのグラデーションが美しい
伝説のメルカトーネ・ウノカラーをよりいっそう引き立てます。
コンポーネントはシマノ 5700系105を装着。
ステムは奇跡的に在庫のあった ITM bigone イエローステムを装備し、
ヘッドパーツにガタが無いか点検した後、フォークをヘッドセット及びステムを通しセットしました。
懸案事項のフロントディレイラー取り付けも難なくクリア。
装着したFD-5700はバンド式ではなく、あえて直付を用意して頂き、カンパニョーロ製のバンドアダプターと合わせて
装着しています。
そもそも正しい取り付け位置が無くなってしまっている為、直付のフロントディレイラーとバンドアダプターの組み合わせの方が
シビアになるであろう位置決めに適している為です。
ホイールはオーナー様よりお預かりしましたFULCRUM(フルクラム) RACING 3(レーシング3)。
レーシング3の2-WAY FITバージョンは初めて見た気がします。
装着されているタイヤはライトブルーのミシュランPRO4。
一見チェレステカラーに見えてしまった方は重症です。後ほど処方箋を発行しますのでそのままコチラをクリックして
受注確認メールをお受け取り下さいな。
ホイールをチェックしましたところ、前輪に僅かな振れがありましたので修正させて頂きました。
ハブの回転は問題無し。カン、いやフルクラムらしくウルトラスムースです。
ホイールをフレームにセットし、シフターから各ケーブルを通して変速チェックとブレーキの動作確認を行うのですが、
今回ご依頼のメガプロは一味違いますよ。
これはもしかしてもしかすると世界に1台の仕様かもしれません。
メガプロを組むとは言いましたが、「ロードバイク」にするとは一言も言ってません。
こんな酔狂かつオーナー様のセンスが光るバイク。私は大好きです。
出ました。フラットバーハンドル!
ご依頼の内容ですが、なんとメガプロをクロスバイク仕様(フラットバー)にして下さいとの事だったのです。
ビアンキラバー の憧れ、かつ非常に入手困難なMEGAPRO Lをクロスバイクにして、
ロードバイクより身近な存在にして日々楽しもうと言うU様のアイデアに全力でお応えさせて頂きました。
(実は奥様用)
ハンドル周りのスペックですが、
・シフター→ シマノ SL-R780 2×10SPEED仕様
・ブレーキレバー→ シマノ BR-R780
・チェレステカラーのグリップ BROOKS製グリップ、カスタマイズ品
となります。
サドルはSMPのHYBRID イエローカラーを装着。
SELLE SMPのサドルはその独特な形状から、かなりクセのあるメーカーだそうで。
合う人はSMP以外座れなくなるらしく、合わない人には本当に違和感しかないそうで。
私はただ触り心地の良いサドルと感じました。
ほぼ全てのパーツが装着完了。現時点で雰囲気はかなり良好です。
チェーンを繋ぎ、変速チェック及びブレーキの動作チェックを行った後に試乗を行い、
負荷をかけて異音等、異常がないか細心の注意を払い点検します。
トリガーシフターによる変速操作はST-5700 デュアルコントロールレバーに比べ随分と軽やか。
リアは勿論、イレギュラーな取り付けといえるフロントディレイラーも小気味よく変速でき、ほっとしました。
ブレーキ操作も105とは思えない程レスポンス良く動作します。
トルクレンチで各パーツの締め付け、点検項目を全てクリアしたので写真撮影後、ご納車させて頂きます。
メガプロと言えばメルカトーネウノに所属していた伝説的選手、
マルコ・パンターニが駆ったロードバイクとして圧倒的な支持を獲得したスーパー人気モデルですが
ビチアモにかかればご覧の通り、実用性に富んだ?クロスバイクになっちゃいます。
このようなオンリーワンの仕様、酔狂なバイクに憧れのある方は是非ご来店下さいませ。
当店は「自転車」しか扱えないただの中古屋ですが、まずは落ち着いた店内でじっくりご相談させて頂き、
あなたの夢をリーズナブルかつより具体的な形で実現可能です。
さぁさぁまずはご遠慮なくメール下さいませ。
コンポ組付、オーバーホールご依頼、その他メンテナンスにつきましてはお気軽にご相談下さい。
TEL/FAX 0797-38-5581
メールアドレス info@biciamore.ne.jp
担当 阿藻