ブログ
YOUTUBE

【商品紹介】チネリ スーパーコルサをレストアしました

WRITTEN BY早ぴっぴ blog

こんにちは、ビチアモーレ南麻布店の早川です。
久しぶりのブログ投稿となりましたが、今回は商品のご紹介となります!
それがこちら、チネリ Cinelli スーパーコルサ SUPER CORSA です!

スーパーコルサはすさまじいロングセラーモデルで、1964年の東京オリンピックの時にはすでに存在し、現在までラインナップされている伝説的なモデル。
今回のフレームはコロンバスSLXチューブを使っていること、トップチューブにブレーキケーブルが内装されることから、おそらく1992年ごろのモデルであろうと思われます。
そこにコンポーネントは現行の11速シルバーカラー ケンタウルを装備し、クラシックな見た目と使いやすいワイドレシオギアを両立しています。
ホイールはヴィジョン トライマックス30のシルバーリム仕様で、これは代理店の日直商会が日本限定で販売したもの。
お手本のようなネオクラシック車に仕上がっておりますネ。

85年から登場したコロンバスSLX。現役でプロレースを走ったスチール最後の世代です。

それだけなら、言ってしまえばちょっと珍しい構成の一台で、ご紹介するほどのものではありません。
しかし、このバイクにはトップ画像の状態に仕立てるまでのストーリー、前オーナー様の想いがあります!

リペイント前のお写真。わかりづらいものの、ややグレー味が強い色合いです。

それはまず、本バイクはリペイントされているということ。
単にリペイントしたというだけのフレームならある程度は見かけますが、今回のフレームはなんとビチアモで売る為にリペイントしていただきました!
当初お持ち込みいただいた時は塗装が剥がれてボロボロ、カサカサで、ちょっとこれで売るのはなあ…と思ってしまう状態でした。(リペイント前の写真はあまり残っていません。撮っておけばよかった。)
フレームのコアは特に問題がないだけに残念。このままでは安く売らざるをえず、使いつぶされてしまうかもしれない。
今となっては貴重なSLXのスーパーコルサ。それを荒廃の道に送ってしまうのはあまりに不憫ということで、リペイントを決意されたということでした。

組み立て前のフレーム。とても綺麗です。

そこでバイクを一旦ビチアモで分解してリペイント業者へ。自転車の塗装に定評ある上村塗装にお願いされたそうです。
無事に完了し、戻ってきたのが上の写真。すごい!とっても綺麗に仕上がっています!
オリジナルはどちらかと言うとグレー色でしたが、ややブルー味が強くなったかな?
しかし特別仕様にできるのもリペイントの醍醐味です。

タッピング前のBBシェル。ネジ山をはじめ、内部が少し錆びています。

これを再び組み上げて、完成車で販売します。
わざわざご売却のためにリペイントしてくださった心意気にお応えするべく、気合を入れて仕立てました。
まずスチールフレームならばやるべき下準備から。
ネジ部はタッピング。ネジ山を綺麗に整えます。浚う(さらう)とも言います。

タッピング作業の図。カンパニョーロ大道具を使用しています。
タッピング後。きれいになりました!
タッピングの削りカスがこちら。まずまず出てきましたね。

また、BBシェルとヘッドチューブをフェイシング。塗装が乗って微妙に凸凹した面を整える作業です。
これをやるとキッチリ左右上下の平行が出て、回転が良くなったり、ベアリングの与圧が均一になったり、精度よく組み上げられるようになります。

フェイシング前のBB面。塗装が乗っているため、しっかりフラットではありません。
フェイシング作業の図。塗装やBBシェルを薄く削り取っていきます。
フェイシング完了。塗装は全て削り取らなくても、並行が出ればOKです。

あとはシートチューブ、ヘッドチューブの内壁をリーマー掛け。これでシートポストが傷つかなくなったり、シートポスト全体に圧がかかってずり落ちにくくなったりします。

シートリーマー作業の図。
ヘッドリーマー作業の図。この工具はリーマーとフェイスカッターを兼ねています。
削った跡がわかります。これでヘッドパーツのワンとぴったりになりました。

さらにエンドアライメントの確認。これはホイールを挟む左右のエンドがしっかり平行でズレが無いか確認するものです。
もしズレていたら曲げて修正します。スチールならではですね。しかしこのスーパーコルサはとても良い精度で、修正の必要はありませんでした。

フロント。アライメントは左右のエンドに噛ませたカップがぴったり重なればOK。
リア。カンパ大道具の工具では幅が足りなかったので、パークツール製のものにチェンジ。

そして組みあがったバイクがこちら!
サイズはシートC-C540mmで、適応身長は172cm~178cmほどかと。
ほぼ全て現行パーツで構成されますが、スーパーレコードのヘッドパーツがフレームの年代を静かに語りかけますネ。
走りも1インチスチールバイクらしく、踏力を優しく受け止めて、ふわっと返してくれるような、乗り手に寄り添ってくれる心地を覚えます!

前オーナー様の想いにより蘇り、その誠実さに応えんとビチアモスタッフが丁寧に仕上げた一台、是非お求めいただければと思います!!
詳細スペックの確認やご注文は、ビチアモーレ公式通販からどうぞ!

記事一覧に戻る