11速バイクでヴィンテージパーツを運用する話。


こんにちは、南麻布店スタッフの早ぴっぴこと早川です。
今までにライド記など書かせてもらっていますが、今回はその実際に運用中のバイクに付けている「ヴィンテージパーツ」についてご紹介します。
古いパーツでも使える・ここが良いという話や、現行(に近い)パーツとの組み合わせ奮闘記など(笑)、ご笑覧いただけると幸いです(^^)
※メーカー推奨外の組み合わせ、構成となるものも含まれます。
実行される際には、あくまで自己責任でお願いいたします。
・ステム

まず私のバイクは、1インチスレッドヘッドの、昔ながらのスチールフレームです。
なのでステムもスレッドステム(クイルステム)になります。
少ないとは言え、現在も日東やデダエレメンティなどから販売されていますが、私が選んだのがコチラ。

チネリのグランモというモデル。往時をご存じの方はピンとくるのでは。
スレッドステムとしてはややゴツめの本品は、チタニウム板を溶接して作られています。
現行スレッドステムでチタン製は存在しません。ほぼ全てアルミ製なので、チタンステムはロストテクノロジーじみた立ち位置となっています。
長所はズバリ軽さです。アルミ製と比べて100g程度軽くなります!
グランモは重量と剛性のバランスが良くておすすめです。お値段はお高めですが。
ステムをはじめハンドル、シートポスト、サドルなど、動作部分がほとんどないパーツはヴィンテージでも導入しやすいですよ。
・ヘッドパーツ

ヘッドパーツにフレームメーカーが定めたものではなく、好みのものが選べるのはスレッドヘッドの良いところ。規格さえ合えば(主にJISとITAがあります)昔のパーツも装着できます。
ふざけた見た目のフレームなので(笑)、ヴィンテージヘッドで少し威厳?を持たせたかったのです。
私が選んだのはカンパニョーロのCレコード期アテナ。駆動系をアテナメインで組んでいるので、合わせることも考えつつ。
Cレコードは何かと肉厚というかボリューミーなルックスをしてます。なのでコラム長も相応に必要なのですが、私のバイクはコラム長がわずかに足りませんでした…(泣)

そこで袋ナットを薄く削り、舌つきワッシャーを抜いて圧縮するという荒業でどうにか装着!
デッドストックの未使用品だったんですが、仕方ないネ。


・クイックリリース

カンパニョーロ10速時代のクイックリリースを使用しています。レコードグレードになるのかな?
細かい部分ですが、クラシックなバイクではお馴染み、シルバーの輪付きコニカルナットと内カム式レバーでディテールアップ。
この世代のクイックなら現行の130mmエンドと同規格で安心して使えます。
・キャリパーブレーキ

ブレーキにはカンパニョーロのCレコード期アテナをチョイス。
これを選んだ理由は、ぽってりトゥルンとしていて可愛いから!
前後共シングルピボットでセンター出しにちょっと苦労することもありますが、分厚いアルミの塊みたいなアームは高剛性。握りこんだらしっかり止まってくれます。
シューホルダーはシマノの現行デュラエースのものを使ってます。トーイン調整できるし(昔のホルダーは調整機能が付いていません)、シマノシューの方が入手性が良く扱いやすいですから。
許容できる範囲でモダナイズするのが、ストレスなく走れるコツではないかと思います。
・ホイール


ヴィンテージと呼ぶほど古くは無いですが、ついでにホイールもご紹介。
カンパニョーロ ヴェントG3とカンパニョーロ ゾンダを使っています。どちらもシルバーカラー。
ヴェントはポリッシュのリムとハブ、そしてワイドフランジのフロントハブからまっすぐに伸びたG3パターンスポークに独特の魅力があり、素敵!
ゾンダはメガG3ではない旧モデルです。実測重量1672gで現行と比べて重たいですが、信頼性の高さは今も昔も変わらず、安心して使えます。
・クランク

ぶっちゃけ、これを書きたくてこのお題を選びました。トリを飾るのはクランク!
クランクにはCレコード期のレコードをアッセンブルしました。
このつるんとしたフォルム、スパイダーアームとクランクアームが一体になった形は、11速世代まで続いた「カンパらしいデザイン」の原点。
そして原点となっただけあって、PCDは135。11速の5アームクランクと同一のピッチとなっています。
つまりチェーンリングに11速用を入れれば、11速コンポで運用できるということ!
Cレコを入れる前は10速時代のアルミレコードを付けていましたので、スクエアテーパーBBも10速時代の軸長102mmのものが付いています。
そこにCレコを入れると…


近すぎる。フレームにタッチするギリギリです。
というかタッチしちゃってました。ペダリングすると、アーム先端がフレームに接触してしまっているようです。傷が…。
他にもフロントディレイラー調整をフレーム側ギリギリまで寄せるなど、何かと問題がある状態です。

そこで軸長の長いBBに変更。選んだのが111mm長のケンタウルBB。
そしてインストールしたのがこちら。

うむ!余裕のある位置になった!
こんな感じで、いろんな世代のパーツを組み合わせて遊んでおります。
ピュアなヴィンテージバイクだと、消耗品の入手性やギア比などの問題でレギュラー運用が難しかったりしますが、現行コンポに組み込んで見た目だけ楽しめれば、おいしいところだけを独占できる!
そんな考え方で出来上がったパーツアッセンブルです。
今までにスポークが飛んだりクイックリリースのネジ山を潰してしまったり、色々とトラブルもありましたが、自分が思うベストなバイクを追求するのはとっっっても楽しいですよ!!
しかし、最後に念を押しますが、ヴィンテージは火遊びです。お忘れなきよう。
それでは!
