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東京~仙台 沿岸ライド記!その3

WRITTEN BY早ぴっぴ blog
災害伝承館前。

こんにちは。南麻布店スタッフの早ぴっぴこと早川です。
前回(その2)前々回(その1)に続きまして、4日間かけて太平洋沿海を走るライドの、3日目の記録となります。
(前回をまだご覧になっていない方はそちらを先にどうぞ!リンクから飛べます。)
前日に富岡町に宿泊しまして、3日目ではついに終着・仙台を目指して走っていきます!

富岡駅。

走っていきます!と書きましたが、実は最初は走りません。
走れないのです。というのも、この富岡町から浪江町に至るまでは、放射線の影響で二輪車の立ち入りが規制されているから。
ちなみに四輪の普通の車なら通行できます。二輪では外界からシャットアウトできないからなんですね。

帰宅困難区域、つまり二輪通行禁止区域の地図。遠回りがあまりに遠すぎるので輪行で横断します。
富岡駅から輪行。

宿に入る為に輪行袋に入れたバイクはそのままで、常磐線に乗り込みます。
富岡駅のホームに立つとなんと線量計とその表示がありました。
すごい。ここには原子力災害ありきの生活空間が存在しているのかと、暗い気持ちよりその逞しさを感じました。
そして電車に乗り込み、浪江駅まで移動。この間は帰宅困難区域。車窓の景色は荒涼としています。
民家は見えるものの、いずれも雨戸を締め切って生活の気配はありません。
中には傾いた電柱や、屋根瓦の崩れた家が…。時間が止まった空間というのを、初めて肌で感じました。

富岡駅の線量計。

そして浪江駅に到着。バイクを形にしてここからライド開始です。
とはいえ走ってすぐのところにある道の駅なみえに寄り道します。
道の駅に寄った目的は「ラッキー公園」です!笑

道の駅なみえに併設されているラッキー公園。

前回、福島県の応援ポケモンがラッキーと書きましたが、その一環でラッキーの公園が併設されているのです。
遊具はすべてポケモン仕様でクオリティ高い!
ラッキーのマンホールも見つけて、次に進みます。

ラッキーの遊具。デカい。
道の駅なみえのマンホール。

向かったのは浪江町の海岸沿いにある震災遺構や施設です。
まず入ったのが東日本大震災・原子力災害伝承館という資料館。

災害伝承館の外景。周囲の空き地っぷりもお分かりいただけるかと。

ここは帰宅困難区域のギリギリのところに建てられています。丘ひとつ越えたら、あの福島第一原発です。

通行規制の看板が側道に並びます。このT字路は境界に位置していて、直進できません。

伝承館には入館し、中の展示を見ました。普段ロードに乗っていてこういう施設に入ることはないのですが、さすがにここまで来たし、そうそう盗難にも遭わないだろうということで。
展示物は被災前の町の様子をはじめ、事故の時系列を追ったもの、津波で押し流されたものまで様々です。
見るとあの時の記憶がよみがえりますね…。

伝承館の展示。第一原発のスケールモデル。
原発近隣の町に掲げられていたという看板のレプリカ。何というアイロニー。

そこの隣には産業交流館という高い建物があり、展望台からは周囲が見渡せます。
そして、見ることができるのですよ。丘の向こうの福島第一原発の排煙塔や鉄塔を。排気の白い煙まで。

福島第一原発の排煙塔。丘一つ向こうに臨む。手前に並べられているのは除染土の袋。

日本を震わせた未曽有の災害の、その爆心地を目の前にしている。
近くはないが、遠くもない…。というのが、自転車で走ってきた素直な感想でした。
そう、なぜ自走でこのライドをしてきたかと言えば、その距離を実際に体感してみたかったからなのです。
東京から、速い人なら1日で行ける距離に、国土に巣食った終わりの見えない病巣が存在していることを、改めて認識した次第です。

請戸小学校遺構。

さて次に請戸小学校遺構を訪ねます。ここは津波が直撃した姿のまま保存されている小学校です。
津波の威力をはじめ、到達した高さが一目瞭然でわかります。
それと周辺は除染土の一時保管所となっていて、黒いバッグが積まれていました。周囲には線量計が設置されていますが、少し前に見た富岡駅と比べてやはり数字が大きかったです。

国道6号の被災を伝える看板。

こうして浪江町の見学は終了。仙台目指して走っていきます。
国道6号を行き、途中で津波による冠水があった表示などを見ながら、南相馬市の道の駅 南相馬へ。

道の駅南相馬のラッキーマンホール。

ここではラッキーのマンホールを撮影に寄りました。それと携帯ポンプが使えなくなっているので、空気圧管理のためフロアポンプの貸し出しがないか探したのですが、空振り。
結果からいうと、フロアポンプを備えている道の駅この先もありませんでした。やっぱり国道6号は自転車で走ることをあまり想定してないようですね。

尾浜こども公園のラッキーマンホール。

この先もラッキーのマンホール探しで寄り道が続きます。
相馬市に入って、尾浜こども公園まで。この公園は海沿いにあり、ここで6号から逸れます。
県道38号を走り今度は新地駅。これで今回の旅で訪れるラッキーマンホールは全部です。
今にして思えば、ラッキーマンホールが無かったら途中ただただ移動するだけの退屈な区間が多くなっていたでしょう。
良いスパイスに巡り合えたことに感謝!^^

JR新地駅のラッキーマンホール。

それと38号を走っていて見つけた中浜小学校遺構にも寄り道。これも津波を受けた学校の遺構でした。

中浜小学校遺構。

そうして日が暮れようとしているころ、亘理町に到着。6号に復帰し一路、仙台を目指します。
さらに進むと今度は岩沼市で国道4号に合流。残りは少しです。
しかし4号は交通量が多すぎてまともに走れず、県道に退避。
おかげで道に迷って峠道に行きそうになったりしつつも、どうにかして仙台市に到達!
結局到着したのが夜21時を過ぎてからでした。いや、長かった…。

亘理町前で見た夕焼け。

こうして3日目は終了しました。
次回は最終日の4日目。旅らしい行程は終わり、仙台周辺をゆるりと流すエピローグ?のようなものかな。
せっかくですから、次回もついでに覗いてもらえると幸いです!

仙台に到着して見たタワー。都会の息吹を感じる。
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